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2月の映画短評/(映画)

2014年 02月26日 19:47 (水)

【評価】
★★★(必見)
★★ (まずまず)
★  (ヒマならどうぞ)

■『新座頭市物語 折れた杖』/★★★
 勝新自らがメガホンを取った一作。知的障害者への虐待、児童虐待、少女の自殺などなど、物語を彩るモチーフは、いずれも陰惨かつ過激で、ひたすら鬱な展開。ヒロインも善良ではなく、むしろ市を利用する立場に立つ。終盤の大殺陣は、『続・荒野の用心棒』へのオマージュだろうが、こちらの方がはるかに傷みを感じさせ殺気に満ちている。悪と暴力の毒気に満ちた一作。

■『3-4x 10月』/★
 北野武監督作品の第二作。改めて見ると、初期北野映画の要素は、ほとんどこの作品に表れている。派手な演出も、扇情的なBGMもなく、ただ淡々と物語が進んでいく、北野映画の特有の「空気感」は、すでに十分に表現されている。エンターテイメントとしての面白さは皆無の習作。

■『ツィゴイネルワイゼン』/★★★
 ゾンビも悪魔も出てこない、大人のための怪談映画。何気ないしぐさの中にかいま見える狂気、まともだった美女が徐々に狂っていく様、そして狂気の中の「場違いさ感」が色彩感覚豊かに表現され、正気のままで狂気の世界を垣間見るような、見世物小屋感覚がよい。リングの貞子なんかよりも、この映画の大谷直子の方がよっぽど怖い。

■『鬼平犯科帳 劇場版』/★
 ストーリーや演出は、テレビドラマの豪華版といったのりで、正直、映画にする意味はあまり感じられない。・・・が、鬼平ファンとしては、吉右衛門演ずる「長官(おかしら)」を、105分たっぷり見られるのは眼福。中盤の殺陣で、居合の名人である刺客に対し、鬼平が飛刀術で勝つ演出は、手裏剣屋にはたまらない(笑)。

■『アメリ』/★★
 中島哲也の『下妻物語』とか『嫌われ松子の一生』とか、一時期邦画ではやった演出は、これが元ネタなのだなということを実感。主人公アメリの周りにいる人間は、みんな変人なのだが、それぞれが個人として成立し社会の中に位置している様子は、さすが大人の国フランスだ。引きこもりのおぼこなお嬢さんが、ポルノショップでバイトをする善良な青年に恋をするというのが、なんとも味わい深い。

■『ブラック・スワン』/★★
 人間の精神が、いかに些細なことで壊れ、人格が崩壊していくのかを、たんたんと見せてくれるホラー・・・じゃなくて人間ドラマ。主人公がバレーの主役に選ばれて喜ぶ母親。お祝いに作ったケーキを、娘は喜びながらも食べることをためらっている(馬鹿でかいケーキなので・・・)と、「じゃあ、ゴミ箱に捨てる!」と突然真顔で切れる母・・・。こうした小刻みな精神的攻撃ってあるよなと、妙に納得。一卵性親子って怖いね。それにしても主人公はメンタル弱すぎ。

■『スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ』/★
 よい意味での三池監督作品のばかばかしさを満喫する作品。マカロニウエスタンとチャンバラと、タランティーノ作品を足して三で割ったような一品。主役の伊藤英明が、ちっとも強そうに見えないし、桃井かおりも、もっとかっこよく演出できたはず。この手の作品にリアリティは求めないが、しかしラストの殺陣で、刀で拳銃弾をはじき返すのはどうかと思う。逆に、真剣白刃取りのシーンは大爆笑かつ納得。

■『ランボー 最後の戦場』/★★
 50口径の対物ライフルPR映画。12.7mmの弾で撃たれると、人体はああなるんだねということを、これでもかと実感させられる。アクション映画ではなくスプラッタムービーなので、グロ耐性のない人にはすすめられない。ベトナム帰還兵の心の傷みや、アメリカ地方社会の排他性を背景にした第一作は名作であったが、第2・3作は単なるお馬鹿映画であった。しかし、それらを全て見てきた者として、本作のラストシーンは涙なしでは見られない。お帰り、ジョン。

■『新座頭市 破れ!唐人剣』/★★
 市が、「片腕ドラゴン」ことジミー・ウォングと闘う異色作。座頭市らしい盲目系小ネタあり、いつもながらの殺陣ありで、手堅くまとまる。上記『新座頭市物語 折れた杖』が、あまりに陰惨で救いのない話なのと対照的に、いつも通りの座頭市が楽しめる。カンフーアクションは、今の眼でみるといささかショボイかも。

■『デビルクエスト』/★
 借金返済のために出演作を選ばないハリウッドセレブ、ニコラス刑事主演の歴史ファンタジー。その女は、本当に魔女なのか? っという謎をはらんだ物語中盤までは、たいへん上質な緊張を感じさせてくれたが・・・。物語後半は三流ホラーランタジーで、SFXも陳腐。中世ヨーロッパならではの「汚れ感」や「暗さ」の演出は、それなりによかったが。しかしニコラス刑事って、たしかオスカー俳優なんだったよねえ・・・。

(おしまい)
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