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打剣の原点/(手裏剣術)

2010年 02月10日 00:21 (水)

 無冥流のホームページ「松の間」(http://www.mumyouan.com/k/matunoma.html)で、「中距離打剣の為のひとつの参考」というタイトルで5つの動画(4つの解説と1つの実演)と記事が掲載されています。

 ここのところ、改めて3~4間での精度の強化に取り込んでいる私としてはたいへん参考になりました。


 上記の動画解説1~2は、タイトルで示されている中距離での打剣というテーマ以前の、基本的な打剣の動きとして、「腕を斬り下ろす」動きと「腕をまっすぐ前方へ押し出す」動きの違い、メリット・デメリットが示されており、いわば基本のおさらいになっています。

 また、「対戦としての実践的な距離は三間以内であり、そこでは剣術的な腕の動きでの手裏剣の運用が可能」という点については、当庵でも刀法併用手裏剣術の型の検証や「剣術教習のための手裏剣術~正面斬り」の検討、対戦稽古の経験などを踏まえ、以前から再三主張しているとおりです。


 続いて3~4の動画解説では、具体的に中間距離から長距離(4~10間)を通すための、動きが解説されており、そのツボとなるのが、「いかに腕をまっすぐに使うか?」という点です。

 これについては、当庵では、会員の皆さんには平素の稽古から、「斬り下ろしの動き(力の方向)と、押し出しの動き(力の方向)を合成させること。そのためには、まず3間座打ちで押し出しの動きを理解し、その後、基礎剣術や初級剣術を覚えることで、斬り下ろしの動きを理解し、動きを合成していくように」という形で指導していますが、要約すればその論旨は、今回の動画で崩残氏が解説されている通りです。

 これは、当庵は手裏剣の打法理論は無冥流の重心理論を基礎とし、術の運用については伝統的な日本武術の理合に則ることで、「(翠月庵特有の)武術としての手裏剣術」を編纂・稽古しているのですから、当たり前といえば当たり前なのです。


 ただし、これは庵主である私自身の技量不足もありますが、6間以上の距離となると当庵(というより私個人ですが)では体側に剣を構えピッチング様に大きく踏み出し体を沈めて打つ方法でしか通すことができませんし、7間にいたっては、ピッチング系の打法でも1割程度の刺中率ですので、長距離での打法理論を云々するレベルではありません。

 なお7間以上の長距離打剣については、現時点では他の課題が山積しておりますので当面はお預けにしておいて、来年以降の課題にしようと思っております。


 また、今回の解説動画では、「沈身」というポイントが示されておりました。

 一般的に武術的な動きの「基本」は、腰をすえて軸を立て、腰の位置を地面に対して上下させないで動くとされることが多いわけですが、実際には、それだけではありません。

 古流にしても現代武道にしても、とくに稽古者が中等以上(現代武道であれば有段者以上、古流なら切紙以上)のレベルになれば、意図的に軸を傾けてたりずらしたり、急激な身体の上下動を用いる型・形(技や運用)も珍しくはありません。

 そういう意味で、こうした「武術的な沈身、捻転、旋回等の動き(重心と軸の移動)」を、どう手裏剣術の打剣に活かしてゆくかというのも、現代手裏剣術の大きなテーマになるかもしれません。


 いずれにしても、今回の無冥流の解説動画は、打剣の基礎のおさらいとしても、あるいは表題の通り中距離打剣のコツとしても、さらには現代手裏剣術の新たな課題に思いをいたすという意味でも、今の世に手裏剣術にかかわる方であれば、一見の価値がある、貴重なものであるといえるでしょう。

 ぜひ、視聴をおすすめします。

 (了)
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