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コロナの世界の片隅に/(身辺雑記)

2020年 03月10日 11:28 (火)

 新型コロナウイルス感染症の予防のため、今週末14日(土曜)の翠月庵の定例稽古は中止とした。



 当庵は、密閉空間とは対照的な吹きっさらしの野天稽古場であり、門人諸諸氏に対してはすでに1か月以上前から、本人および家族等が体調不良の人は稽古に参加しないように繰り返し周知していた。

 このため現時点では、稽古を実施しても感染リスクはそれほど高くはないと思う。

 しかし、この病気は不顕性感染が少なくないということ。

 また、この時期の集会等の自粛は、感染者数のピークの山をできるだけ平坦にするために効果的だという、社会的な意義があること。

 さらに、都内や千葉県などの首都圏から埼玉県中北部にある当庵へ電車で通う人については、車内での感染リスクが避けられないと判断し、今週末の稽古中止を決めた次第。

 来週以降の稽古についても、今週中の流行の動静を見て、実施の可否を判断しようと思う。



 現代社会において、古武道=伝統武道を稽古・鍛錬する目的を、その重要度の高さから順に列挙すると、

1.伝統文化としての、武芸の「業」=「形」=「術」と、有職故実の保存・継承
2.稽古を通じた人格の陶冶
3.鍛錬による心身の健康増進
4.広義における護身

 以上の4点に整理、大別できる。

 その上で、上記3.の「鍛錬における心身の健康増進」と、4.の「広義における護身」(疾病やケガから自分と周りの人の身を守ることも、大切な護身である)を考えると、今、感染症蔓延の状況下で稽古を強行し、自分と門人を、健康被害のリスクにさらしてはならないのは言うまでもない。

 このための、定例稽古中止である。

 一方で私個人としては、一日でも多く指導・稽古をしたいという気持ちが強い。

 現在の翠月庵は、特に柳剛流に関しては初学の門人が多いことから、彼らに対してはできるだけ頻回に指導・稽古をしなければならない時期である。

 しかし、そのために人類にとって未知の感染症に罹り、健康被害が出てしまっては元も子もない。

 はやる気を抑えて、「じっと耐え忍ぶ」のもまた、武芸の鍛錬。

 そのぶん自分自身は、師範として己の業前を少しでも上げられるよう、一本でも多く柳剛流居合を抜き、柳生心眼流の素振を振り、柴真揚流の当身を鍛えよう。

 悪疫の流行は恨めしいが、ここはひとつ「臥薪嘗胆」だ。



 自宅での稽古の後は、ぬるめのお湯にゆっくりと入浴し、身体を芯から温める。

 そして湯上りには、大好きな竹本越路大夫の義太夫を聞きながら、この世界で最も旨いシングルモルト・ウイスキーであるアードベッグを、トワイスアップで一杯。

 いや、二杯、三杯・・・。

 グラス片手に、柳宗悦の『南無阿弥陀仏』でも読みながら、気息を整え心気を養い、布団をかぶって早めにとっとと寝ちまおう(笑)。

 南無八幡大菩薩。

1909_柳剛流_一〇心

 (了)
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