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『日本剣道史第十号柳剛流研究(その一)』の投げ売りに想う/(武術・武道)

2020年 02月24日 18:23 (月)

 ちょっと前からヤフオクで、森田栄先生の『日本剣道史 第十号 柳剛流研究(その一)』が、何冊も続けて出品されている。

 どなたか、まとめて所蔵していた人から古書店に流出したのだろうか?

 私が確認している限り、ここ3週間くらいの間に同一業者から3冊が出品され、すでに2冊が落札されている。

 それにしても腹立たしいのは(苦笑)、これらがいずれもわずか2,000円という安値で落札されていることだ。

 私がこの柳剛流に関する貴重な史料(非売品)を入手したのはもう何年も前、やはりヤフオクでの落札だったが、その際、他の落札希望者との競争で値段が吊り上げられ、最終的に20,000円以上の金額でようやく落札した。

 2万円以上である。

 180ドル以上だ。

 166ユーロ以上ですよ。

 70兆ジンバブエ・ドル以上なんだよ・・・(※)。

 それが今、たったの2,000円と、私が買ったときの10分1の値段で売り買いされ、しかも次々と3冊も売りに出されているわけだ。

 いくら私が「足るを知る老荘の学徒」とはいえ、そりゃあ多少、むかっ腹を立てるのも人情ってもんでしょうよ。

 一瞬、

「いっそのことカネにモノを言わせて片っ端から買い占めてやろうか」

 とも思ったのだが(3冊買っても6,000円!)、さすがにそれはヒトとして野暮の極み。

 なにより柳剛流について、より多くの人に広く研究・考察していただくことは、実伝を継承し流儀の末席を汚す者として望むところでもあるので、心を鎮めて買占めは思い止まり、一人自家製の大根の漬物をかじりながら、唇をかみしめている次第・・・(涙)。

 この森田先生の労作は、時代的な制約から最新の調査・研究結果と比べると内容の誤りもいくつかあるのだけれど、それを補って余りあるほど貴重かつ重要な史料的価値の高いものだ。

 私が言うのもなんだが、購入した人はぜひ大切に味読・精読して、その価値を十二分に活かし、柳剛流の普及啓発や研究に役立てててほしいものである。



 悔しいといえば、去年、柴真揚流の詳細な手控えが記された伝書を落札し損ねたときも、まことに無念であった・・・。

 82,000円(!)まで値段が上がったため、私は涙を飲んだわけだが、今思うと誰かに借金してでも手に入れておくべきだったなあと、深く後悔することしきりである。

 オークション時に公開されていた画像は全部ダウンロードしておいたのだが、その内容を精読すると、我々が伝承している町川清先生~小佐野淳先生の系統の柴真揚流柔術早業とは異なる双川喜一系統の伝書のためか、形の取り口や技のかけ方が異なる点がいくつかあり、そういう意味でも興味深い貴重な史料であった。

 ちなみにこのオークションでは、例の「千人遠当て」の薬方について記した文面も画像が公開されていたため、その内容がツイッターでも広く流布され、いまやウィキペディアにまで掲載されてしまっているというのは、なんとも時代を感じさせる顛末である。

2002_柴真揚流_伝書
▲昨年、オークションに出品されていた柴真揚流の伝書。立合投捨「腰附」の取り口など、我々の伝承とは異なる点も少なからず見受けられる



 いずれにしても、落札した人はwebでいいから、内容を公開してくれんかねえ・・・。

 あるいは、いくらか謝礼を払ってもいいので、コピーさせてくれないだろうか?

 ・・・などと思うのだが、ま、いずれにしても覆水は盆に返らず。

 史料との出会いは一期一会だ。

 ここ一番で財力が無いのは悲しいねえという、貧しい流れ武芸者の嘆きであった。

 さて晩酌の肴に、スーパーで見切り品の刺身でも買ってくるかな・・・。

 嗚呼、南無八幡大菩薩。


(※)本日時点での、Amazonでの販売価格(10兆ジンバブエ・ドル紙幣=2,580円)からの換算。

 (了)
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