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吉右衛門の「花」を堪能/(身辺雑記)

2019年 11月22日 21:30 (金)

1911_歌舞伎


 過日、親しい人と共に、三宅坂にて『通し狂言 孤高勇士嬢景清 ― 日向嶋 ―』を鑑賞。

 吉右衛門の名演を、心行くまで堪能した。

 9月の文楽公演で鑑賞した、浄瑠璃の『嬢景清八嶋日記』と同じ題材を、今回は歌舞伎で楽しませてもらったというわけだ。

 今年の観劇はほとんど文楽オンリーで、歌舞伎を見るのは久しぶりだった。

 思うに文楽に比べると、歌舞伎は技芸としての質の高さは一歩譲るが、お祭り的な雑っかけさ、「ハレ」の場感が心地よい。

 しかも最後列の3等席なら、なんと午前中から夕方まで、たっぷりと観劇を楽しんでわずか1,800円という手ごろな観劇料も魅力だ。

 文楽は、とにかくできるだけ前の席で鑑賞したいものだが、歌舞伎はむしろ最後列の3等席の方が舞台全体を俯瞰できるし、なにより気軽に芝居を楽しめるのがいい。

 居眠りしても、恥ずかしくないしね(笑)。



 今回、「四幕目 日向嶋浜辺の場」で、娘・糸滝の想いを知って悲嘆にくれる景清の姿や、同じく「四幕目 日向灘海上の場」のハッピーエンドな大団円では、思わず目頭が熱くなった。

 また、「二幕目 南都東大寺大仏供養の場」で、蛭巻の大薙刀を振るう吉右衛門の殺陣、若い演者の見事なトンボの数々も見ごたえがあった。

 それにしても、やっぱり吉右衛門の芝居は、「花」があっていいねえ。

 そして、もうひとつ。

 今回は期せずして、今年7月に歌舞伎義太夫としては2人目の重要無形文化財保持者(人間国宝)に選ばれた、竹本葵太夫の語りを聞くことができた。

 かつて、文楽の義太夫からは「ちょぼ」という蔑称で見下された歌舞伎の義太夫であるが、葵太夫の語りは圧巻!

 文楽義太夫に勝るとも劣らない熱演に、素直に感動した次第。

 文楽もいいけれど、歌舞伎もいいなあと、しみじみ思った晩秋の夕暮れ。

 (おしまい)
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