FC2ブログ

03月 « 2020年04月 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30  » 05月

無事之名馬/(武術・武道)

2019年 11月07日 00:19 (木)

 ここしばらく多忙ゆえ、毎日の稽古前に行っている筋トレと有酸素運動をさぼっていたのだが、昨日から再開。

 昨夜は柳剛流の稽古の前に、ペダルの負荷を最大にしたエアロバイク30分&SASの新兵向けドリル(別名・腹筋地獄)を行った。

 おかげで今日は朝からひどい筋肉痛だったのだが、夕方から空手の稽古へ。

 筋肉痛を解消するには、さらに筋肉に負荷をかけるにかぎると、いつもよりも深い前屈立ちで、自分をいじめながら稽古に精を出した(苦笑)。

 

 柳剛流の命ともいえる跳斬之術=跳び斬りは、単純に筋力で跳躍するのではなく、「太刀の道」に従って跳び違う「術」である。

 が、しかし、そういった「術」の質を担保するために、より強靭な下半身の筋力は、無いよりも有るに越したことはない。

 実際、下半身の鍛錬をしばらく怠っていると、剣術や居合の形を打つ際に、「ちょっと跳べなくなってきたな・・・」と実感することが少なくないのである。

 一方で柳剛流では、こうした跳び斬りの鍛錬のために居合があるわけで、

「筋トレなどせずとも、ひたすら居合を抜けばよい」

 というのも、ひとつの考え方である。

 しかし私個人としては、そういった鍛錬としての居合の稽古をさらに下支えするものとして、ある程度の筋トレをすることも効果的であろうと考えている。

 古流武術をたしなむ人の中には、こうした筋トレやスポーツ的トレーニングを否定する人もいる。

 それはそれで個人の自由だけれど、私は「術」を下支えする筋力や心肺機能はある程度は必要だと思うし、それさえも否定するのは、単にキツイ鍛錬や厳しいトレーニングを嫌がっているだけのようにも思える。

1810_柳剛流居合_演武1
▲柳剛流の居合は、低く跳躍しながらの受けや斬撃で、跳び斬りの業を錬る



 また最近、「古流武術には、昔から準備運動はない」とか、「常在戦場」とか、ちょっと令和の時代を生きる健全な社会人としては、いささかどうかと思えるような理由から、稽古の際の事前のストレッチや準備運動を否定して行わない人がいるそうな・・・。

 「常在戦場」は論外だけれど、「古流武術には準備運動はない」というのも、相当偏ったモノの見方ではなかろうか?

 素振りや運足の稽古、あるいは流儀に伝わる独自の基礎鍛錬法(柳剛流における「備之伝」や、柳生心眼流における「卍」「巴」など)は、本格的な稽古の前のストレッチや準備運動、あるいは整理体操的な意味合いも持つわけなのだが。

 そういうことすら、やらないのだろうかね、その手の人たちは・・・。

 いずれにしても、格闘技や競技武道など激しい接触を伴う格技はもとより、剣術や居合、あるいは古流の柔(やわら)でも、稽古中のケガの予防や古傷の悪化防止のために、稽古の前には必ず、しっかりと準備運動やストレッチを行うべきだ。

 武術・武道人のケガ自慢ほど子供っぽいことはないのだけれども、私もこれまでの稽古でいろいろとケガをしてきたこともあり、それらがみな五十路を目の前にした今、古傷となっている。

 このため、筋肉や靭帯、関節などを傷めやすい冬場はもとより、夏でも入念なストレッチや準備運動が欠かせない。

 また、稽古で筋肉・靭帯や関節に違和感を感じた際には、軽ければ灸や漢方でセルフメンテナンスを、重い場合は速やかにかかりつけの接骨院を受診するようにしている。



 古傷の悪化防止はもちろん、新たなケガの予防という意味でも、稽古前のストレッチや準備運動は必ず行うべきだ。

 稽古前のストレッチや準備運動を怠り、その結果ケガをしたり古傷を悪くさせたりして、あたら大切な武術人生を縮めるようなことは、自分自身に対してはもちろん、門人に対してもしてはならない。

 私の空手道の師であった、G流のT先生はつねづね、

「無事之名馬(ぶじ、これめいば)」

 と、おっしゃっていた。

 この箴言は、今も私の大切な座右の銘であり、門人に対する指導の要諦のひとつとなっている。

 (了)
関連記事
スポンサーサイト