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「向一文字」と「切上」/(柳剛流)

2019年 10月17日 01:05 (木)

 角田と丸森の皆さんの、ご無事と一刻も早い復興を祈りつつ、今夜も柳剛流居合を抜く。

 今の私にできるのは、角田や丸森で大切に育まれてきた、この柳剛流の業を錬りあげ、それを一人でも多くの後進に伝え、伝承を次の時代に繋げてゆくこと。

 ただ、それだけだ。



 総合武術たる柳剛流において、居合は剣術と並んでたいへん重要なものであるが、形は「向一文字」、「右行」、「左行」、「後詰」、「切上」と、わずか5本しかない。

 さらに、この5つの形の理合を突き詰めると、最終的には「向一文字」と「切上」の2つの形=業=術に収れんされる。

 そして、これはたまたまなのだが、拙宅の稽古場で柳剛流居合の稽古用の差料(二尺八寸八分)を遣うと、広さの関係で「右行」や「左行」、「後詰」は抜くことができない。

 このため自宅での稽古では、もっぱら「向一文字」と「切上」の2つの形を、繰り返すこととなる。



 柳剛流の居合は、剣術や長刀(なぎなた)の業に繋がる「鍛錬形」としての意味合いが色濃い。

 このため、三尺前後の長尺刀を用いることで身体を最大限に使うことを要求し、さらに柳剛流の真面目である「跳斬之術」を錬るため、座した状態からの跳び違いを多用する。

 一方で、当然ながらこれらの形には、居合における対敵技法としての理合も、しっかりと含まれている。

 ただし、柳剛流の表芸はあくまでも剣術であるゆえ、居合による対敵技法は極めてシンプルであり、その骨法が「向一文字」と「切上」の2本の形に収れんされているのである。



 ここ1か月ほどは秋の演武会に向けて、居合はもっぱら荒木流を稽古していたこともあり、久々に抜く柳剛流居合は、最初はいささか難儀であった。

 しかし、「向一文字」と「切上」の形を繰り返し抜くことで、次第に心身が柳剛流の感覚を取り戻してくるのが、なんとも心地よい。

 私の武術人生における、ゆるぎない大きな「幹」は、あくまでも仙台藩角田・丸森伝の柳剛流なのだ。

 それを改めて実感した、ひと時であった。


1910_柳剛流_居合_新武館
▲丸森町の新武館にて、柳剛流居合を抜く

 (了)
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