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柳剛流の真面目~「右剣」と「左剣」/(柳剛流)

2019年 07月12日 11:08 (金)

 思うところがあり、今週はもっぱら柳剛流の稽古に専念。

 特に初学者への指導を念頭に、備之伝と「右剣」「左剣」を丁寧に見直しながら木太刀を振るう。



 柳剛流に入門した者が最初に学ぶ「右剣」と「左剣の2つの形は、流儀の基礎であり至極でもあるだけに、初学者も熟練者も常に稽古をしておくべき柳剛流の真面目(しんめんもく)である。

 それだけに、これら2つの形=業=術の稽古は、我々にとっては普段からあまりにも当たり前で、日常的なものだ。

 しかし、初心の者にこれらを指導していると、改めてこの2つの形の精緻さと多様性、そこで求められる高度で複雑な体の使い方を実感することができ、「右剣」と「左剣」には流祖・岡田惣右衛門が編み出した「業」と「術」の、すべてのエッセンスが含まれていることが分かる。

 ゆえに仙台藩角田伝はもとより、紀州藩田丸伝でも、岡田十内系・岡安系・深井系など武州各派でも、あるいは柳剛流と天神真楊流のハイブリッド流派である中山柳剛流においても、この2つの形を必ず学ぶことになっているわけだ。

 逆に言えば、「右剣」と「左剣」が無いとすれば、それはもはや柳剛流ではない。

 そして、柳剛流の断脚之太刀=脚斬りの術には、なんの「作り」や「掛け」もなく、バカのひとつ覚えのようにやみくもに相手の脚を斬りにいくような粗雑な技は、ひとつとしてない。

 「柳剛流」を名乗っておきながら、「右剣」と「左剣」という2つの形の実伝が無く、剣の理も攻防の理もなしにめったやったらに相手の脚をひっぱたくようなものは、捏造か妄想か創作か、あるいはレベルの低い剽窃なのか・・・、いずれにしても偽物と判断してよいだろう。



 真の柳剛流門下であれば、初学の人も熟練者も、倦まず弛まず、この2つの形を磨き続けなければならない。

 「右剣」と「左剣」の練磨によって、流祖・岡田惣右衛門が到達した剣の事理に、200年の時を越えて肉薄することができる。

 これこそが、柳剛流を学び受け継ぐ者の使命であり、大成への王道であり、修行の醍醐味であるといえるだろう。


1907_柳剛流_右剣012
▲初学者の仕太刀による、柳剛流剣術「右剣」(令和元年7月)


190505_柳剛流_左剣
▲切紙の仕太刀による、柳剛流剣術「左剣」(令和元年5月)


1705_松代演武_柳剛流左剣
▲目録の仕太刀による、柳剛流剣術「左剣」(平成29年5月)


1506_幸手_柳剛流
▲幸手剣友会柳剛流部・持田征男先生の仕太刀による、柳剛流剣術「右剣(右頸)」(平成27年)


1907_柳剛流_佐藤健七先師
▲仙台藩角田伝・佐藤健七先師による、柳剛流剣術「左剣」(昭和53年)/(『剣道日本 続剣脈風土記 陸前柳剛流』より)


1601_田丸伝形演武
▲紀州藩田丸伝・村林長十郎先師の仕太刀による、柳剛流剣術「左剣」(明治23年)/(多気町郷土資料館特別企画展『郷土の剣術柳剛流と日本の武道』より)


 (了)
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