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過ちては改むるに憚ること勿れ/(武術・武道)

2019年 06月06日 11:50 (木)

 過日、久々に県立武道館での空手の稽古に出席。

 この教室は県連主催で、各流派の先生方が指導に来られるのだが、4月の年度替わりの際、それまで長年にわたって指導されていた先生方が勇退され、指導陣が新しい先生方に変わったとのこと。

 知らなかった・・・。

(それだけの期間、私が空手の稽古をサボっていたということですな。ま、古流の稽古で忙しくってネ・・・)

 この稽古会では、特に糸洲流のN先生から古流の空手の技法などを教えていただくことができ、学びの多いご指導をいただいていただけに、個人的にはたいへん残念だがしかたがない。



 いつも通り、基本稽古の後は形稽古。

 この時期は初心者が多いこともあり、平安二段と三段の稽古となった。

 こちらの教室で教えている平安の形は、A流の平安なのだけれど、三段の最後の挙動、背後の相手への猿臂と顔面突きの同時打ちについて、今回指導に立った先生の動作がちょっと違っていた。

 そこで、稽古の最後に「今日の稽古で、何か質問は?」と聞かれたので、

 「平安三段最後の挙動は、猿臂と顔面突きの同時打ちではないのですか?」

 と聞いてみた。

 すると、

 「猿臂と顔面突きの背後への同時打ちではなく、猿臂で当てない方の拳は、自分の胸に着けるようにしてください」

 とのこと。

 う~ん、そうだったっけ?

 と疑問に思ったのだが、この先生の流派はA流とのこと。

 またなにより、私はあと数か月で知命の歳を迎える、“足るを知るオトコ”である。

 あえて場の空気を乱す必要もあるまいと思い、

 「分かりました。ありがとうございます!」

 とにっこり笑顔でお礼を言って、稽古を終えた次第。

 そして・・・、

 自宅に帰ったら速攻で空手の教則本やら資料やらを5~6冊取り出して確認し、さらにyoutubeにあるA流公式の形の動画なども複数確認する。

(疑問を感じたらチェック・ダブル・チェックをするのはジャーナリストのイロハのイであり、お袋が自分に愛しているよと言っても真に受けないで証言のウラをとるのが取材記者の基本である)

 するとやはり、A流の平安三段の最後の挙動は、どの教本でも公式動画を見ても、猿臂と顔面突きの同時打ちであった。

 ・・・・・・。

 はて、A流の平安三段の形は、最近になって最後の動作が変わったのかしら?



 ま、これも他山の石である。

 私も翠月庵で、

 「先生、その青眼右足頭、動きが違ってるんじゃないですか?」

 などと言われないよう、気をつけねばならない。

 ちなみに私は、初めて師から柳剛流の手ほどきをいただいて以来、今日に至るまで、備之伝から剣術、居合、突杖、長刀などすべての形、そして小太刀や二刀、組打や活法などの口伝について、動作の一挙手一投足、口伝の教えの一言半句も漏らすことなく、詳細かつ時系列ごとに稽古ノートにまとめて記しており、さらに基本的な形の動作については、可能な限りテキスト(言語)化してレジュメにしてある。

 これらの資料は、私にとって最も大切な宝であり、火事が起きたら真っ先に持ち出すべき財産だ。

 柳剛流の稽古の前後には必ずこれらの資料を確認し、あるいは日々折に触れて目を通し、知らず知らずのうちに自分の動きが違っていたり、誤った動作を教えるようなことが無いように心がけている。

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▲柳剛流の形の動作や口伝をまとめたノートと、形の動きを言語化したレジュメ。これまで私が学んできた仙台藩角田伝柳剛流のすべての動作と口伝は、このように可能な限り詳細にまとめてある。なお、私は壊滅的に「絵心」がないので、図解が悲惨なのは、ま、気にしない気にしない・・・


 仙台藩角田伝 柳剛流の師範として、弟子に教える動きがいつのまにか変わっていたり、知らず知らずのうちに間違った動作を教えるようなことはあってはならない。

 一方で人間というのは、私のような凡俗はもとより、名人・達人と言われるような高名な先生方でも、時には間違えもし、忘れもするし、勘違いもしてしまうものだ。

 だからこそ、はからずも何かの勘違いで弟子に間違ったことを教えてしまい、それを指摘されるようなことがあったとしたら、武人としてどう身を処すべきか?

 私は、素直に自らの誤りを認め、あらためて正しい動きを教えることのできる指導者でありたいと思う。

 「過ちては改むるに憚ること勿れ」

 とういう心映えの美しさは、何歳(いくつ)になっても忘れたくないものだ。



 で、平安三段の挙動の誤りを、次の稽古の際に指摘するかって?

 いやいやいや、しない、しない、しない(苦笑)。

 柳剛流と違って空手道については、私は師範ではなく市井のいち有段者にすぎませんからね。

 そこはそれ、大人のたしなみってやつですわ。


 (了)
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