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礼法と「右剣」/(柳剛流)

2019年 04月21日 12:24 (日)

 昨日の午後は、翠月庵の定例稽古であった。

 先月末の入門後、定例稽古参加は今回で2回目のA氏のため、全員で柳剛流の備之伝から稽古を開始。

 柳剛流修行歴3年目、杖道師範でフルコンタクト空手・柔道・薙刀・抜刀道それぞれの有段者でもある、当庵門人きっての猛者S氏には、正面に出て「備」に対する備十五ケ条フセギ秘伝を執ってもらい、双方について私が検分、修正や指導、理合の解説を行う。

 新しい人が入ってくると、こうした多角的な稽古や指導もできるのがいい。



 全員での「備」の稽古の後、私はA氏にマンツーマンで礼法を指導。

 一般的な座礼の真行草、そして柳剛流の礼法について、何度も繰り返す。

 これまで翠月庵に入門して柳剛流を学んでいる門人は、いずれも他流の師範または有段者だったので、こういった基本的な所作や立ち居振る舞いについて指導することはあまりなかったのだが、今回は武術・武道未経験者ということで、基本のキからの指導である。

 思うに、私たち武術・武道の指導に携わる者は、毎日当たり前のように稽古着に袖を通し、礼法を行い、木太刀や剣を振るい、あるいは柔(やわら)をとっている。

 しかし今から38年前、12歳の時に初めて武芸の門を叩いたあの頃を思えば、私も初めは何も分からなかった。

 そういう意味で、「まったき初心者」への指導というのは新鮮なものだ。

 股立の取り方ひとつをとっても、初心者、ましてや21世紀を生きる平成生まれの若者にとっては未知の体験であろう。

 だからこそ、正しい所作とその意義や意味を、分かりやすく伝えていかねばと思う。

1804_柳剛流礼法2
▲柳剛流の礼法



 礼法の後は、いよいよ初めての形の教伝。

 柳剛流剣術の最初の一手であり、至極の形でもある「右剣」を指導する。

 この形には、柳剛流の真骨頂である「断脚の術」や「跳斬の術」に関する、すべてのエッセンスが凝縮されている。

 初学者がこの後に学ぶ形である「左剣」はもちろん、“当流極意柳剛刀”として目録で学ぶ一連の形や剣技、そして免許秘伝の長刀(なぎなた)に至るまで、すべてはこの剣術1本目「右剣」の応用変化であるといっても過言ではない。

 それだけに、柳剛流の「右剣」という形=業は、何年稽古をしても実に難しいものだなあと、私自身、しみじみ思う。

 武術・武道の初心者については、まずは2~3年の間じっくりと、「右剣」と「左剣」の2つの剣術形に腰を据えて取り組ませるのが、流祖以来の当流の流儀だ。

1706_柳剛流「右剣」
▲柳剛流剣術 「右剣」



 一方でこの2~3年の間に、2つの剣術形に加えて鍛錬形である居合5本、そして実践技法としての突杖(杖術)5本も学ばせることとなる。

 柳剛流は単なる剣術流派ではなく、総合武術なのだ。

 なにはともあれ、慌てず腰を据えて、形に込められた流祖や先師方の想いをかみしめつつ、地道に稽古を重ねてくれればと思う。



 「むら雨の柳の枝のふりかかり
       てまの心大事とそしれ」(柳剛流切紙 武道歌)



 (了)
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