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一打必倒の打剣/(手裏剣術)

2019年 02月02日 22:12 (土)

 本日は翠月庵の定例稽古。

 今回は手裏剣術の稽古を中心に。

 私は5間直打でゆっくりと肩を慣らした後、2間~3間~4間~5間と移動しながらの連続打ちを稽古。

 その後、門人に手裏剣術運用形を指導する。

 翠月庵流の手裏剣術では、長剣と翠月剣(短刀型手裏剣)による3間直打(順体、逆体、歩み足の運足3種)という基本ができるようになると、次に「手裏剣術運用形」を学ぶ。

 これは、「前敵」、「左敵」、「右敵、「後敵」、「前後敵」、「左右敵」、「突進」の7本の形で構成され、それらがさらに順体と逆体の2パターンあるので、合計14本の形となる。

 「前敵」から「左右敵」までの形は、前後左右各方向への打剣を錬るための形であり、最後の「突進」は正面への打剣から手裏剣を馬手差し(鎧通し)として用い刺突する動作の基本を錬るためのものだ。

 これら運用形は、3間間合で行うのが基本だが、特に初学者については2間間合からの打剣でもよい。

20160409_演武打剣
▲苗木城武術演武会での、翠月庵主による演武。手裏剣術運用形「前敵」を披露。
3間直打・歩み足で、翠月剣を打つ(2016年4月)



 運用形に続いては、動作線上の前後に的を立て、前後打ちと左右打ちを指導する。

 前後打ちについては、1.順体から順体、2.順体から逆体、3.逆体から順体、4.逆体から逆体の4種の打ち方があり、これら4種がさらに、転身の方向によって表(左回り)と裏(右回り)に分かれるので、合計8パターンの打ち方に変化する。

 左右打ちも同様に、合計8パターンの打ち方に変化するので、前後・左右打ちで総計16パターンの運足・体勢から、3間4寸的への的中(単なる刺中ではない)を鍛錬する。

 こうした多様な運足と体の転換を伴う打剣の稽古をしていると、初学者の場合、「何が何だか分からなくなる・・・」ようである(笑)。

 いずれにしても翠月庵流の手裏剣術では、武術としての手裏剣術を習得するために、順体でも逆体でも、歩み足でも送り足でも、前後左右、あらゆる方向にあらゆる体勢で、あらゆる運足を用いながらあらゆる拍子で、一打必倒の打剣ができることを目指すのである。

 ただし、打剣の前に的の前で宙返りをしたり、前転・後転・側転をしてから手裏剣を打つなど、見世物的あるいはパフォーマンス主体のいわゆる「華法」は、身体能力の表現や狭義の打剣技術としては見事であっても、対人攻防としては武術における拍子の位や間積りを無視し、動作そのものに居着いた無駄で不必要な動き、いわば「死気体」であり、そのような打剣は当庵では是としない。

 翠月庵流の手裏剣術の極意は、ただスタスタと無心に相手に歩み寄り、踏み込んで剣を放ち、一撃で相手の死命を制する、

 「生死一重の至近の間合からの、渾身の一打」

 である。

1603_香取演武
▲香取神宮境内での奉納演武にて、50名以上の居合道家を前に、
「刀法併用手裏剣術」の形を披露する(2007年5月)



 本日の稽古のシメは、柳剛流長刀(なぎなた)の指導。

 柳剛流の長刀は免許秘伝の業であるが、その体動はあくまでも、修行者が最初に学ぶ柳剛流剣術の「右剣」や「左剣」の延長線上にある。

 この2つの剣術形に習熟してこその、極意の長刀なのだ。

 こうした点をしっかりと門人に説明しながら、みっちりと打太刀を務めた。



 さて本日の稽古で、武術伝習所 翠月庵の行田稽古場での稽古は、通算399回となった。

 来週で400回である。

 開庵から、足かけ12年。

 当庵で手裏剣術の稽古をした人の数は、延べ人数で300人以上となる。

 「延べ」人数でね(苦笑)。

 そのうち7間以上を直打で通したのは、私と翠月庵師範代の吉松章氏を含め、計3名。

 翠月庵流手裏剣術の「目録」を受領した門人は2名。

 花も嵐も踏み越えて、たかが400回、されど400回・・・・・・。

 (了)
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