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柳剛流突杖と海外の高齢者向けステッキ護身術/(柳剛流)

2018年 07月28日 16:12 (土)

 Youtubeで、海外の高齢者向けステッキ護身術の動画を見た。




 青年と比べると身体的に虚弱な高齢者に特化したステッキによる護身術というのは、これまであまり考えたこともなかったが、なるほどなあと思った。

 もっとも個人的には、これは護身術というよりも、「護身術的な要素を持った運動」と捉えた方が良いと思う。

 ところで、この動画で目を引いたのが、一部のステッキの使い方が、柳剛流突杖(杖術)と非常によく似ているということだ。

 当然ながら、この高齢者向けステッキ護身術の発案者が、柳剛流の突杖を知っているわけはないのだろうが、「洋の東西を問わず、昔も今も人間の考えることは、似たようなものなのだなあ・・・・・・」と、しみじみと思った次第である。

 これまで何度も触れているが、柳剛流突杖は、流祖・岡田惣右衛門が三和無敵流から取り入れたと考えられる杖術技法である。

 形は、「ハジキ」「ハズシ」「右留」「左留」「抜留」の合計5本。

 「三尺棒」とも称する乳切サイズの細身の杖を遣う業は、「突杖」という名前の通り、いずれも突きを多用するもので、別名「突之刀法」とも称される。

 柳剛流において突杖は切紙の段階、つまり初学者が学ぶことになっており、そのシンプルかつ即応的な術技の内容から、刀剣の扱いに習熟していない農民や町人でも、容易に習得ができる日常的な護身術となっている。

 こうした意味合いは現代においても同様で、突杖の業はそのままステッキや傘を用いた護身術に応用することができ、工夫伝のひとつとして体術への展開も容易だ。



 伝統武道の業を現代の護身術に結び付けて考えるのには、ある種の慎重さが必要だが、古流といえども武技である以上、師範と呼ばれる立場にある者は、そういう一面についても十分に考察しておかなければならない。

 それは、古流の武術を継承し指導する者の大切な務めのひとつではないかと、私は思う。


1806_柳剛流突杖
▲柳剛流突杖(仕杖:吉松章 打太刀:瀬沼健司)

 (了)
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