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下陰からの太刀筋と運刀-上川原神道香取流からの示唆/(柳剛流)

2018年 06月02日 12:30 (土)

 翠月庵の稽古場の最寄り駅は、JR高崎線の行田駅である。

 このため便宜上「行田稽古場」と呼称しているからか、稽古場が行田市にあると誤解されることが多い。

 実のところ行田市の中心は秩父鉄道の行田市駅周辺であり、JR行田駅は行田市の端っこに位置しており、うちの稽古場の所在地は行田市ではなくその隣の市なのだ。

 さらに蛇足ながら、私の住まいは稽古場から徒歩と電車で約1時間ほど離れたところにあり、週末ごとに稽古場まで、武具をかかえて通っている。

 もっとも7年前までは、練馬の自宅から行田稽古場まで2時間かけて通っていたので、随分と楽になったものだ。

 ・・・・・・とまあ、そんな話は世間の皆さまにはどうでもよいことであろうし、なにより県外の方はもとより埼玉県民でも、高崎線沿線に住んでいる人でないとピンとこない話題であろう。



 ところでJR行田駅の隣にあるのが、日本有数の酷暑地・熊谷市の玄関口であるJR熊谷駅だ。

 こちら熊谷市の上川原地区には、室町時代から続き、今もその地域の相続人(長男)にしか伝授されない秘剣である「神道香取流」が伝えられている。

 現在は「上川原神道香取流棒術」として市の指定文化財になっているが、実際には剣術であり、形は表12本・裏12本の合計24本。

 一般に公開されているのは表の形だけで、裏の形は修行者以外には非公開なのだという。

 いわゆる古武道に比べると、こうした村落共同体で伝承されている「芸能武術」は、武術・武道関係者からは、やや低く見られがちかもしれない。

 しかし、こうした芸能武術には、ときとして一般的な古武道以上に、昔ながらの身体や武具の使い方が色濃く伝承されていることがあるので、予断を持たずに拝見するよう心掛けている。



 過日、youtubeにて神道香取流の動画を見ていて、ふと柳剛流備之伝における下陰の構えからの動きに関連する強い示唆を感じた。

 そこで先日来、自宅での稽古ではその動きを確認することに専念していたのだが、たいへん大きな新しい気づきを得る事ができた。

 なお、こうした工夫はあくまでも私個人としての剣技・剣理の探求であり、それを伝来の形の動きや理合に混同させるようなことは、厳に慎まなければならないのは言うまでもない。

 しかし、自分なりの工夫伝として鍛錬し、技として磨くことは、ひとりの武術修行人として、たいへんに重要なことであるとも思う。

 今回、このように神道香取流の太刀筋から、柳剛流の下陰の構えからの太刀筋や運刀について新たな知見を得る事が出来たわけだが、一方で4尺4寸2分の柳剛流の長木刀でその動きを過度に繰り返すと、左手首に非常に大きな負担がかかるようである。

 おかげで昨日、左手首を痛めてしまった・・・・・・(爆)。






 上川原神道香取流は、毎年春と夏の2回、表の太刀のみが公開されるという。

 機会があればぜひ、現地でその妙術を拝見したいと思う。


■参考URL
上川原神道香取流棒術
http://www.city.kumagaya.lg.jp/kanko/rekisi/bunkazai/mukeiminzoku/boujutu.html

村落における武術伝承組織の検討:神道香取流を事例として
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjpehss/62/2/62_16102/_article/-char/ja

 (了)
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