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柳剛流特有の鍛錬法「備十五ヶ条フセギ秘伝」/(柳剛流)

2018年 04月22日 22:57 (日)

 本ブログでは、すでに何度も触れていることだが、 「備之伝」とは柳剛流剣術における構え方についての教えであり、入門者に最初に伝授される基本の教えである。

 その上で目録の段階になると、この切紙で伝授された「備之伝」に対する勝口(かちくち/勝ち方)としての構えである「備十五ヶ条フセギ秘伝」という口伝が授けられる。

 これにより、彼我二人で相対し、一方の備之伝の構えに対して、一方はフセギ秘伝の構えで応じるという、相対稽古が行われる。

 これは、柳剛流独自の稽古法であり、他流には類をみない非常に珍しい稽古法のひとつだといえよう。



 昨日の稽古では、ある門人がケガで左ひじを痛めていたことから、組太刀の稽古はせず、もっぱらこの「備之伝」と「フセギ秘伝」の相対稽古を行った。

 この稽古を繰り返し、相手の千変万化する構えに対して、頭で考えることなく、体で反射的に応ずる構えをとれるようにならなけばならない。

 加えてそのフセギの構えで、どのように相手の太刀筋を制するかを吟味していかなければならない。

 その上で最終的には、単に相手の構えにフセギの構えで表面上応じるだけではなく、全ての構えにおいて相手の「正中」を制し、我の「位」で彼の意図を未発のうちに制する(先々の先)という、心法を錬らなければならない。

 これは、ある意味で打ち合いの無い彼我の自由攻防であり、形と撃剣の間を結ぶ、重要な鍛錬法である。

 実際のところこの稽古を繰り返すと、思った以上に内面的に負荷のかかる鍛錬であることが実感できる。

 稽古においては、まずは順序を追った相手の構えにそれぞれ応じる構えをとることを繰り返し、次いで相手が任意にとる構えに応じる稽古を積み重ね、最終的には相手がどのように構えを変化させようと自在に応じ、常に相手を制することができる「位取り」を得ることを目指さなければならない。

 単独稽古の場合も、鏡に写る己の構え、あるいは虚空に相手の構えを想起し、それに応ずることを繰り返す鍛錬を積み重ねる。

 こうしたメソッドが流祖以来、口伝として代々伝承されていることは、仙台藩角田伝 柳剛流の大きな魅力であり、文化的な意義でもあるといえるだろう。

1709_松代演武_柳剛流剣術

 (了)
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