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身を修め心を正す/(柳剛流)

2018年 03月21日 22:59 (水)

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 春分の日だというのに、武州中山道にある拙宅は朝から雪。

 底冷えがするため、一度は片づけた冬用の黒織部筒茶碗を引っ張り出して一服する。

 静かな夜だ。



 我々、武術・武道を嗜む者は、日々、武技の稽古に励んでいる。

 故に、武術・武道の鍛錬をしていない人に比べれば、人間の殴り方や投げ飛ばし方が上手い。

 あるいは刀や鎗、長刀(なぎなた)や手裏剣など、人を傷つける威力を持つ武具の扱いに習熟している。

 だからこそ武術・武道人は、一般の人々以上に、稽古と実生活を通じて人格を陶冶し、規範意識を持ったより良い社会人でなければならない。

 そうでなければ、人の殴り方が上手いとか、刀の振り回し方に慣れているなどというのは単なる粗暴の輩であり、そのような輩の集まりである流儀・会派はまさに反社会的勢力である。



 往時、仙台藩角田伝 柳剛流では、剣術・居合・突杖そして長刀を修めた者に対し、秘伝として相手の死命を制する殺活術を伝授した。

 その際、

夫れ剣柔は身を修め心を正すを以て本となす(柳剛流殺活免許巻)



 ということを、強く諭した。

 その上で、

心正しくば則ち視る物明らか也。或は此の術を以て輙(たやす)く闘争に及ぶ者有り。此れ吾が党の深く戒むる所也。当流を修めんと欲する者は、先ず心を正すを以て要と為すべし(柳剛流殺活免許巻)



 と教えた。

 つまり、一打必倒の奥義である殺活術を学び、流儀の皆伝を得る者には、

 「身を修め心を正す」

 ことが、強く求められたのである。



 21世紀の今、柳剛流を稽古する我々も、流祖伝来の武技の鍛錬を通じて身を修め心を正し、粗暴のふるまいを慎しみ、強くなればなるほど他者に優しく、物腰穏やかでありたいと思う。

 (了)
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