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”翠月庵の”刀法併用手裏剣術~その6 五本目「鞘ノ内」/(手裏剣術)

2009年 07月19日 08:13 (日)

 翠月庵の刀法併用手裏剣術、五本目は「鞘ノ内」である。

 型の動きは以下の通り。

1 納刀したままの状態で手裏剣を右手に把持し、上段構え
2 打剣(二打以上)
3 踏み込んで抜刀
4 左袈裟斬り

 さて、この型は、藤田西湖伝の「実戦に臨むときの第二」および、根岸流の「刀術組込みの型・五本目」を原型としている。


▲翠月庵の刀法併用手裏剣術 五本目「鞘ノ内」


 型の開始点は、的まで二間。使用剣は軽量剣である。

 この型のポイントは、「位で詰める」ということである。つまり、対峙する相手に対し、打刀は納刀状態で、手裏剣の上段構えで制し、未発にして勝ちを得ることを学ぶ。その意味で、打剣~抜刀~斬撃は、鞘ノ内での位詰が失敗に終わった結果の、予後の動作に過ぎない。

 このため、第一挙動の有構の状態(打剣前の構えの状態)においての、内的・外的な気勢の練磨が重要である。

 次に体動としてのポイントであるが、この型は二間距離での演武を基本とするが、当然ながら的までの距離は、三間でも四間でも、あるいは一間でもかまわない。通常の稽古では、三間距離くらいまではやっておいた方が良いだろう。

 また第一挙動で手裏剣の上段構えを取る際、打刀は左手で鍔を押さえたまま、左腕を右前方に伸ばして突き出す心持で、腰をやや右にひねる。これにより、左の体軸にあらかじめ壁を作ると同時に、我の正中線を意識し、それに沿って剣を撃つのである。

 このように、帯刀している打刀を突き出すことで、あらかじめ左軸に壁ができていることから、基本的な動作では通常通り、打剣の際に半歩踏み込んでいるが、踏み込みをしなくとも、比較的容易に威力と速度のある打剣ができることも、この型の特徴である。

 打剣は二打以上行う。これは、稽古の方便として、上述の体軸を意識するためという意味が含まれている。実際に演武してみれば、帯刀していない状態、つまり普段の打剣との感覚の違いが鮮明に分かるであろう。

 打剣後は、右足→左足の順に運足しながら抜刀、さらに右足を踏み込んで、左袈裟斬りとなる。翠月庵の刀法併用手裏剣術では、この型の斬撃が唯一、袈裟斬りとなる。

 また、的までの距離や運足の数により、この袈裟斬りは、「右足前の、左袈裟斬り」になる場合と、「左足前の、左袈裟斬り」になる場合がある。


▲的までの距離が一間半と短く、運足が一歩減っているため、「左半
  身の、左袈裟斬り」で、打剣も一打にした変化の例


 なお「左半身の、左袈裟斬り」は、初学者の場合、力みすぎて間合を誤り、自分の左膝を自分の剣で傷つけてしまう場合があるので、十分、注意されたい。


(この項、つづく。次回、まとめ)
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