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もののあはれ/(武術・武道)

2017年 10月31日 10:33 (火)

 武友のA氏から、過日、B氏が死去したという話を聞いた。

 B氏は、Cという武道の関係者で、自身のブログで他流への誹謗中傷を繰り返したり、陰謀論やニセ医学に基づいたヘイトスピーチをたびたび書くなどして、まともな武術・武道関係者はもとより、医療や科学関連など、幅広いジャンルの人々から顰蹙をかっていた人物である。

 B氏のネット上での他流派への口撃やヘイトスピーチは、その後、志ある人物の勇気ある行動によって鎮静化し、ブログは閉鎖に追い込まれたのだが、その後もB氏は別ブログで細々と、ニセ医学や陰謀論に関する持論を展開していたようである。

 私も数年前に、B氏の他流攻撃やヘイトスピーチ、ニセ医学や陰謀論のバカバカしさについて、本ブログで批判を加えたことがあるので、同氏が病死したという話を聞いて、いささかの感慨がある。


 B氏は、徹底的に自分が所属する流派とその指導者を神格化し、一方で他流を声高に、そして口汚くののしるような文章を書いて、多くの武術・武道人の反感を買っていたのだが、死去後、B氏の関係者が公表した記事などを読むと、そもそもB氏は虚弱なタイプの人で、成人後かなり遅い時期から武道の世界に入り、そのためもあってか、自流の指導者を狂信的に信奉していたのだという。

 つまり、武術・武道人としての身体的・精神的な虚弱さがルサンチマンとなり、それが内的には自流とその指導者への妄信、外的には過激な他流批判や他武道への口撃という行動に繋がっていたのだろう。

 心身の弱い者や己に自信の無い人ほど、ネットという“守られた世界”では、逆により過激に他者を攻撃したり、他罰的な発言を繰り返す傾向があるが、B氏についてもそういう傾向の人物だったということだ。

 一方でB氏の死去を受けて、その死を悼む関係者の記述も、少ないながらいくつか見られた。

 思うに、過激なネット上での言動で多くの人から嫌われている者も、他方では現実世界での暮らしがある。

 そこでは彼や彼女の周囲にも、家族、知人、友人、同僚、上司や部下、先輩や後輩などがおり、それらの人に囲まれて彼や彼女もひとりの社会人として、最低限の人間関係や社会性を持って生きている。

 ゆえに彼や彼女は、ネット上で口汚く他者を罵る文章を書きちらす一方で、会社では上司に頭を下げ、客先ではゴマのひとつもすり、稽古場では師匠や先輩に厳しく叱られているのかもしれない。

 そのように考えると、ネット上での発言が過激で攻撃的であればあるほど、「かわいそうな人だなあ・・・・・・」としみじみ思うのは、私だけではないだろう。

 加えて、ネット上ではニセ医学を声高に主張し、標準医療を真っ向から否定していたB氏だったが、実際には慢性疾患の治療のために、医療機関での継続的かつ標準的な治療を受けていたという話を聞くと、当時、同氏による過激かつ非科学的な医療批判の論調を見聞きしていた人間のひとりとしては、これもまた憐れをさそう話だ。


 とはいえ、死んでしまえばみな仏様。

 泉下の氏が、武術・武道へのルサンチマンや標準医療へ誤謬から解放され、心静かに冥っていることを願う次第である。

 (了)
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