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流祖が示す無限の円環/(柳剛流)

2017年 08月24日 00:03 (木)

 本日も深夜まで仕事であったため、稽古は柳剛流備之伝・備十五ヶ条フセギ秘伝を中心とする。

 等身大の鏡に写った我を相手に、気押しを込めながら備え、また防ぎ、無言の攻防を繰り返す。

 ある構えに対して不敗の構えをとり、その構えに対してさらに不敗の構えをとる。

 それはまるで、大陸に伝わる「矛盾」の故事のようで、どこまでも円環する無限世界を表しているようで興味深い。

 鏡に向かって気を込めながら、構えを次々にとるだけの静かな稽古であるが、緊張感のたいへんに高い集中力のいる稽古でもある。



 柳剛流備之伝・備十五ヶ条フセギ秘伝で示される多種多様な構えの中でも、最も重要な構えのひとつが中段=青眼の構えである。

 中段の構えの重要さなどというと、剣術や剣道に熟練した人からは「何を今さら」と苦笑されるであろう。

 しかし柳剛流備之伝・備十五ヶ条フセギ秘伝の稽古をしていると、剣術・剣道では当たり前とされている中段の構えの「強さ」や「厳しさ」を、改めてリアルに感じることができる。

 ことに真剣で稽古を行うと、よりその「強さ」と「厳しさ」が体感できるものだ。



 神道無念流の中山博道師は、

 「中段の構えの強いところは、如何なる術にも対応ができる点、また攻撃に最良な点である一方、我が入り易い分、敵も入り易い、結局難しい構えということになる」(『中山博道剣道口述集』より)



 と指摘している。

 これは柳剛流備之伝・備十五ヶ条フセギ秘伝の稽古においても全く同様であり、中段=青眼の構えは、非常に有用で即応性の高い構え=術であるが、彼我ともにその術を遣えば、互いの関係性、つまり勝敗は難しいものとなるのは言うまでもない。

 そこで、柳剛流の備十五ヶ条フセギ秘伝には、中段=青眼の構えに対する不敗必勝の構え=術が置かれているわけだ。

 ところがさらに、その中段に必勝の構えに対して、さらに不敗の構えがあり、さらにさらにその不敗の構えに対する必勝の構えが存在する・・・・・・。

 こうした彼我の剣による、不敗必勝の無限の円環を学び、感じることで、私は200有余年の時空を超えて、柳剛流祖・岡田惣右衛門の見い出した「剣の境地」に触れられるような気がしてならない。

 これぞまさに、古流武術を修行する者だけが知る醍醐味なのではなかろうか。

170823_柳剛流


 「兵法は立たざる先の勝にして
              身は浮しまの松の色かな」(柳剛流 武道歌)



 (了)
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