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”翠月庵の”刀法併用手裏剣術~その3 二本目「先」/(手裏剣術)

2009年 06月29日 00:36 (月)

 翠月庵の刀法併用手裏剣術の型、二本目は「先」である。

 この型は、藤田西湖著『図解 手裏剣術』P163~164に示されている、知新流の型を本としている。

 型の動きは以下の通り。

 1 帯刀し、自然体で立つ。その際、あらかじめ右手に手裏剣を持っておく。
 2 右足を一歩踏み込み、順体で打剣。
 3 左足を踏み出しながら抜刀。
 4 右半身で、真っ向正面斬り。
 5 血振い、納刀。

 
▲この動画は、いろんなテーマで貼り付けてますが、ま、ご再見ください

 この型の要諦は、

 A)武技としての「先」を学ぶこと
 B)気・剣・体が一致した順体の打剣を学ぶこと

 以上の2点である。

 型の動きとしては、正対していると仮定している仮想の相手が、鯉口を切り、右手を柄に掛けようとした、その瞬間に”先”をとって打剣する。この型/技の眼目は、まさにこの1点にあるのである。

 なお想定としては、柄に手をかける相手は、こちらが手裏剣を保持していることを知らない(隠剣)わけで、居合術的に抜き付けるのではない。あくまでも尋常な立合のために、一足一刀の間合以上の距離で正対している状態で剣を抜くのである。この機に、我は、手裏剣を打ち、相手を討ち取る。いわば奇襲・奇策であり、槍術で言うところの「犬槍」である。

 こうした奇襲は、「霞をかける」と称して、古流には口伝などでよく伝えられているものだ。つまり極論すれば、まず相手に投げつけるのは、手裏剣でなくとも、それこそ小柄や笄、あるいは手ぬぐいや扇子などでも良いのである。

 しかし、そこは我々はあくまで手裏剣術者であるので、最初の打剣は奇襲でありながら、一打必倒の気勢で、気・剣・体を一致させて打ち込まなければならない。


 さて、一方で鍛錬型としての意味あいでは、上述B)の「順体での打剣」を、刀術の操法と連携させて学ぶのが、この型の最大の目的である。踏み込みと打剣は形而上でも形而下でも、一致しなければならない。気・剣・体の一致である。そういう意味で、先に挙げた私の動画の演武は、踏み込みに対して打剣が一拍子遅れており、これが居着きとなっている。

 恥ずかしながら、未熟な見本だと思って観ていただきたい。


 なお、この型において、藤田はその著書で、具体的な距離について記述していない。同書には図が示されており、それを見る限り彼我の間合いは1間程度となっているが、これが正しい設定であるのか、あるいは紙面のスペース上、便宜的に示されたものなのかは不明である。

 このため当庵では、手裏剣術としての間合の妙が活かされ、なおかつ打剣から斬撃への拍子が非現実的にならないであろう、的までの距離・二間を型の起点としている。

 しかし当然ながら、平素の稽古で十分に型に熟練すれば、距離を三間程度にまでとって行うのもよい。その際には、運歩が増えるので、適切な間合を考えながら鍛錬することが重要である。

(この項、つづく)

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