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刀法併用手裏剣術について、「ふと」思ったこと/(手裏剣術)

2009年 06月16日 18:58 (火)

 最近、「刀法併用手裏剣術」について聞かれることが、度々あります。

 なんだい、急に流行ってんのかね?

 というわけで、まとめてここで答えておきましょう。


                    ※  ※  ※  ※  ※


 「刀法併用手裏剣術」というのは、読んで字の如く、刀法=つまり剣術なり居合・抜刀術と、手裏剣術を組み合わせて用いる技術等の、一般的な名詞です。

 まあ要するに、手裏剣術と剣術なり居合・抜刀術の組み合わせですな。

 ちなみに翠月庵では、以前の旧武学倶楽部埼玉行田道場時代から、この「刀法併用手裏剣術」という言葉を使っています。これ以前は、根岸流などが呼称している「刀術組込み型」などと表現していたのですが、これは他流派の内部的な名称であり、それと同じ表現をするのも失礼かなあと思ったわけです。

 そこで当庵では、藤田西湖氏の『図解 手裏剣術』の中で一般的な名詞として使われていた「刀法併用手裏剣術」という名称を使うようになった、という顛末は、以前、ブログに書きました(ここではなく、旧ブログ)。

 こういうことを明記しておくというのも、ひとつの礼節ですしね。

 ですから少なくともWEB上において、「刀法併用手裏剣術」という用語を使い、その術技の一端を具体的に解説したのは、当庵がその嚆矢だったのではないかと自負しております(検証したい人は、どうぞキャッシュ等、調べてくだされ)。


 とまあそういうわけで、刀法併用手裏剣術を行うには当然ながら、手裏剣術はもちろんですが、剣術なり居合・抜刀術なりができないと、使えません。

 私の場合、少年~青年時代に神道流系の剣術と抜刀術を稽古させていただき、後年には新陰流系の剣術や田宮流系の居合術を学ぶ機会にも恵まれました。またここ最近は、戸山流居合抜刀術のT先生と門弟の皆さんと交流させていただき、斬りの稽古(いわゆる試斬)をはじめ、初心者向けの基本的かつ日本剣術に普遍的な組太刀のあり方についても、非常に有意義な学びの機会を得ることができました。

 こうした背景から、翠月庵では刀法併用手裏剣術に関する考察や検討、その結果としての、独自の教習体系(まだまだ不完全でありますが)を、取りまとめているわけです。

 逆説的に言うと、剣術なり居合・抜刀術なりにある程度熟練していない人が、無理くりに手裏剣術と「剣術もどき、居合もどき」を組み合わせても、それは「刀法併用手裏剣術」とはいえないわけです。

 もちろんその逆、つまり剣術なり居合なりがそこそこできても、手裏剣がそれなりに使えない者が、むりくりに両者を合体させても、やはりそれもまた、刀法併用手裏剣術にはなりません。

 ちなみに私自身は、「オレは両方とも遣える!」と公言するほどの業前ではありませんし、厚かましくもないですから(笑)、つつましくささやかに、「未熟ながらも当庵では、刀法併用手裏剣術も研究・考察・指導しております」と、標榜しているわけです。


                    ※  ※  ※  ※  ※  ※


 さて、仮に現代の地球上で、これは国内・国外を問いませんが、「刀法併用手裏剣術を稽古あるいは指導している」という人物なり組織なりがあったとします。それに”あなた”が興味をもったとしたら、まず相手にこう尋ねてみると良いでしょう。

 「なるほど、そちら様の手裏剣術は●●流ですか。で、剣術や居合は、どちらのご流儀ですか?」、と。

 まともな師範なり指導者であれば、いろいろ大人の事情があったとしても(私も含めて、この世界には大人の事情が多いのですヨ)ごく私的な会話としてなら、「剣術は●●先生系統のA流、居合は××派のB流」などと、具体的に答えてくれるでしょう。気まじめな人なら、目録なり免状なりを見せてくれるかもしれません。

 私レベルの者でも、「たいへん胡散臭い」(爆)、目録の免状くらいもっていますから・・・。

 「剣術も居合もオレ流だ! 私には師はいない!」という人もなかにはいるかもしれませんが、そういう人は天才かキ●ガ●かのどちらかです。


 しかし武術・武道に詳しくない方にとっては、流儀の名前やいかめしげな免状などを見ても、良くわからないかもしれませんね。

 そういう時は、お願いして、剣術なり居合の型を拝見してみると良いでしょう。

 なぜなら、日本武術における剣術や居合の稽古には、「型」が必須だからです。


 まともな剣術なら組太刀という2人で行う「型」があるはずですし、居合・抜刀術なら一人で行う「型」があるはずです。

 また、まともに稽古してきた武術・武道人であれば、シロウトサンがちょっと型を見たくらいではとくに問題がないことは理解していますから、よっぽどシキタリの厳しい流儀でもない限り、組太刀の一手、型の一本くらいは、うちうちになら見せてくれるはずです。

 むしろ、見せたがりも多い世界ですし。

 この時注意すべきなのは、「刀法併用手裏剣術」の技を見せてもらうのではなく、剣術なり居合なりの組太刀なり型なりを見せてもらうことですゾ!

 逆に言えば、剣術なり居合なりの「型」稽古がないとか、「組太刀は見せられない」とかいう場合は、「・・・・?」と思ったほうが良いでしょうね。また、試物だけを見せるようなところも、個人的には眉につばをつけてみた方が良いでしょう。

 もちろん、「型」があればすべて、きちんとしているというわけではありませんし、試物の稽古が悪いというわけではありません。

 まあ、ひとつの判断要素ということです。


                        ※  ※  ※  ※  ※


 こうした経緯で当庵では、できるだけ他流の剣術なり居合なりの併習をすすめていますし、剣術や居合・抜刀術の経験のまったくない人で他流との併習ができない場合のために、きわめて基本的な練成用の組太刀(型)をいくつか編成して指導しています(初学の形/五本など)。

 剣術や居合・抜刀術については、それぞれ専門の流儀なり師範について稽古した方が良いわけですが、なかなか手裏剣と剣術等の稽古を平行して行うことのできる、時間的・資金的な余裕のある人というのもそう多くないだろうということで、たいへん僭越ながらも、こうした教習体系をまとめているわけです。

 ですから、あくまでも当庵で稽古できるのは、打刀の操法の最低レベルです。

 ただし、手裏剣術の稽古会として「刀法併用手裏剣術」を標榜していながら、試物も斬れず、割ったり折ったり、自分の膝を斬るようではお里が知られますし、試物は斬れるが組太刀の一本も知らないでは、たんなる介錯術です。このため当庵の体系の学習では、最低限の組太刀の理合の理解と、斬りの稽古で試物が両断できる程度の業前にはなってもらえるかと思います。

 しかし、それ以上の剣術や居合・抜刀術のレベルを求める方には、きちんとした剣術なり居合・抜刀術の流儀なり会派での稽古をおすすめします。


                       ※  ※  ※  ※


 これはなにも斯界に限ったことではありませんが、とにかく「うさんくせえなあ・・・」と思ったら、関わり合いにならないことです。

 自分の直感を信じることも、大事ですゾ(笑)。

 (了)
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