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指の記憶/(武術・武道)

2009年 06月05日 00:11 (金)

 川端康成は左手の人差し指に、大いに記憶があるらしいが、私の場合は主に右手である。

 先日、翠月庵で会員のYさんに初学の組太刀を指導している時、擦上げた際に油断して、Yさんの剣先が私の右手親指の第一関節をかすった・・・。

 これはちょっと、懐かしい感触である。

 若き日、私の旧師は、時折、組太刀の稽古の際、普段あまり仲の良くない・・・というか、たいへん仲の悪い者同士をあえて組ませてやらせたものだ。

 そうなると皆さん想像はつくと思うが・・・ま、怪我人が続出するわけだ。なにしろ素面・素手だし。

 幸い、私はあまり怪我はしなかった方だが、それでも右手の薬指と小指、そして左手の薬指は、それぞれ折っている。あと、顔面を木剣で殴打されても、アドレナリンが全開の場合、一撃では人間はなかなか倒れない。人間の頭蓋骨は案外丈夫なのだ。ただし、翌日、打たれたところが、エレファントマンのごとく腫れあがることは言うまでもない。一方で、水月辺りを軽く突かれると(さすがに、いくら気に喰わない同門相手でも、素肌状態の相手を全力では突けない・・・)、簡単に悶絶するものである。ちなみに、顔面や咽喉部へのいわゆる「スコップ突き」は、素肌状態ではあまりに危険なので、暗黙の了解で禁じ手であった。

 さて木剣、それも組太刀稽古用のぶっといやつで、渾身の力を込めて打ち合うと、互いの打突の力が拮抗している場合は、斬り結んだ太刀と太刀が「ガキッ!」っと打ち止まるものである。しかし、両者の力のバランスが悪いと、打ち合った木剣が跳ねる。そしてたいがい、跳ねた剣で指を打たれてしまう。

 これで、指を折ってしまうのだ。

 ま、意図的に「拳斬り」をしてくる、剣呑な人もいたけどもネ・・・。「そんな業は、当流にはねえだろう!」っと、小1時間ほど問い詰めたいものであった(笑)。

 また、これはやった人しか分からないと思うが、激しく打ち合う稽古をしていると、木剣の表面が摩擦熱で焦げてくるのである。これは実話、マジです。

 まあいずれにしても、これらの記憶はもう20年以上も前の話であり、今となってはとてもこんな稽古は自分自身できないし、人にやらせるつもりもない。いまどき、こんな稽古をしたら、人が集まらないどころか、訴訟沙汰になりかねないだろうし。なにより、稽古でやみくもに怪我をして社会生活に触るようでは、今の社会にはなじまないであろうと思う。

 そんなこんなで、いささか油断して擦上損ね、ひさびさに指を打たれた私の記憶は、はるか彼方、20数年前の昭和の時代にさかのぼってしまったのであった。

__tn_kisei.jpg
▲おん年17歳の頃の翠月庵主。髪型が、
微妙に昭和60年代です・・・


 あの頃の、紅顔の美少年剣士(爆)も、今となってはメタボな厚顔の”毒”身武術家である・・・。

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▲上の写真から20数年が過ぎた
後の翠月庵主。おなかまわりが・・・

 時は流れているのですね。

 (了)
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