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「通し狂言 妹背山婦女庭訓」/(身辺雑記)

2019年 05月21日 22:35 (火)

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 数カ月前から楽しみにしていた、『通し狂言 妹背山婦女庭訓』。

 親しい人と連れ立って、第二部を鑑賞に行く。

 今回の席は、2列目ながら一番左端のため、太夫と三味線が座る床から遠く舞台の上手も見渡しにくいなあと思っていたのだが、災い転じて福となす。

 第二部冒頭の三段目「妹山背山の段」、通称「山」では、舞台の上手側にある床に加えて、下手の床にも太夫と三味線が座り、上手の「背山」と下手の「妹山」とで掛け合いながらの浄瑠璃となる。

 このため私たちの席の真横、手を伸ばすと届くところに下手の床があるのだ。

 そして、ここに座って三味線を弾くのは、人間国宝・鶴澤清治!

 いやまったく、距離1メートル足らずの本当に真横で、「闘う三味線」と言われた当代随一の太棹の名手の三味線が、その息遣いや掛け声と共に間近で聴けたのは、一生の思い出になったといって過言ではない。

 さらに、こちら妹山側の太夫は、個人的に応援している豊竹呂勢太夫、そして竹本織太夫。

 舞台に目を移せば、目の前の妹山側で人形を操るのは、人形浄瑠璃文楽のレジェンド・吉田蓑助と人間国宝・吉田和生!

 文楽のオールスターたちが、目の前に勢ぞろいだ。

 いやまったく、生きててよかったよ、ほんとマジで。



 そんなこんなで、興奮のうちに「妹山背山の段」は、あっという間に終了。

 そしてこの後、四段目「杉酒屋の段」からは、桐竹勘十郎が操る悲劇のヒロインお三輪にすっかり魅了された。

 本来、無機物である人形が、勘十郎の手にかかるとまるで生命が吹き込まれたようにしなやかに動き、慟哭する。

 恋に破れ、いじめられ、理不尽に命を奪われるお三輪の切なさに、すれっからしの流れ武芸者の心も震えたぜ。

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 ああ、文楽って本当にいいもんですねえ。


 (おしまい)
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