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ヒーロー/(時評)

2020年 04月01日 11:21 (水)



 私のヒーローである秋山小兵衛先生や鬼平こと長谷川平蔵は、たとえば江戸の町が疫病に襲われた際に、貧民を救済するなとか、唐人を追い出せとか、そんなことは絶対に言わないだろう。

 差別や排外主義を煽る連中を懲らしめ、困窮している人々や外国人たちを手助けするべく奔走するはずだ。

DSC_9315.jpg
▲秋山先生は、やっぱり又五郎さんだね


 それにしても、高齢者や子どもを抱えたシングルマザー、障碍のある人など、アベ政権の悪政のもとで生活保護を受けざるを得ない、貧しい人たちに対するヘイトを煽る百田尚樹のツイートに、10万を超える「いいね」がつけられているというのは、日本人の心根の醜さを目の当たりにさせられるようで、暗澹たる気分になる。

 また、この国で真面目に働き、つつましく暮らしている外国人たちをあえて攻撃する小野田紀美のツイートも、同様に醜い。

 このように災害や疫病が生じると、かならずそこに差別や排外主義が台頭する。

 しかしそんな「悪」に、絶対に与してはならない。

 柳剛流兵法二代・岡田(一條)左馬輔いわく、

「武術之儀は護国之(くにのまもり)」

 だと。

 吾人が鍛え上げた柳剛流の「断脚之太刀」は、社会の片隅で困っている弱い人たちを踏みにじるためのものではない。

 そのような人々を、護るためにこそあるのだと、心に期するべし。

 貧しくとも自由な流れ武芸者である私の、これがせめてもの矜持である。

 (了)
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破廉恥/(時評)

2020年 02月18日 08:10 (火)

 確定申告の書類を作るために膨大な伝票の山と格闘し、終わったのは日付が変わるギリギリ前。

 こうして昨年1年間の自分の売り上げや経費、収入を数字で突き付けられると改めて、

「儲かんねえなあ・・・」

 と実感する(苦笑)。

 報道によればGDPも2期連続マイナスで、特に最新の数値(昨年10~12月)はマイナス6.3%とのこと!

 これが「アベノミクス」なる愚策の成果というわけだ。

 仕事をしながら聞き流すインターネットの国会審議中継では、首相のウソと居直り、品位に欠けたヤジと言語不明瞭な言い訳を聞かされるばかりで、本当に気が滅入る。

 この人は近年、日を追うごとに人相が悪相になっているわけだが、どうしてこんなに平気でうそがつけ、しかもそれがばれても居直れるのだろうかと不思議に思う。



 人相そしてうそという点で、最近興味深いなと思ったのが、京都”あ~ん”不倫旅行&コネクティングルーム不倫出張が問題となっている、首相の右腕という内閣府補佐官のオッサンと厚労省審議官のオバチャンだ。

 特に、このオバチャンの顔を見ていると、悪相が顔に出てしまっていて、「あ~あ・・・、こりゃあひでえや」という感じである。

 それにしても、仮にも行政の指導的立場にある者が、下々から集めた公金を使ってノコノコと不倫旅行をし、あまつさえそれがばれても平気な顔をして居直っている。

 そういう醜態をみていると、今の若者たちの言葉で言えば人間として、

「クソだな」

 と思う。

 一方で人の世には、悲しい巡り合わせによる「わりなき恋」というものもある。

 そのような人間のどうしようもなさをリリカルに描く、人形浄瑠璃文楽を愛する者のひとりとして、私はそれをすべて否定はしない。

 しかしそれは、わりなき道行を往く二人が世間様に対して、墓場に行くまで互いの想いを隠し通してはじめて、そこに一片のつつましやかな「美」や「哀切」が見て取れるものなのだ。

 だからこそ映画『マディソン郡の橋』は、名作なのである。

 それかあらぬか、このオッサンとオバチャンは、京都への不倫旅行で乳繰り合っている真っ最中を文春に撮影されて暴露された後も、平然と居直っている。

 加えて不倫旅行の途中で、我が国における再生医療の至宝・山中先生を、権力をかさに恫喝したというのだから、もう人として終わっていると言っても過言ではあるまい。

 こんな没義道漢たちが、内閣府や厚労省の上級官僚としてそっくり返っているわけだ。

 その下で働くまじめな公務員の皆さんは、さぞかし腸が煮えくり返えり、この二人を軽蔑していることだろう。

 「破廉恥」とはまさにこういうことだと、しみじみ思う。

 ま、私如き路地裏の流れ武芸者兼ニワカ易者が、そんなふうに世を憂いても、どうしようもないわけだがね。



 そんな静かな、しかし深い怒りと絶望を感じつつ一日の業務を終えたせいか、夜の稽古にも今一つ身が入らず。

 二間座打ちで手裏剣をしばらく打っていたのだが、どうにも気が乗らない。

 そこで暗鬱な気分を断ち切ろうと、真剣で柳剛流居合を抜く。

 さらに柳剛流剣術「右剣」と「左剣」の形を、これも真剣で何度も繰り返す。

 こうして深夜、半刻ほど剣を振るい、ようやく心のよどんだ気鬱が晴れた。

 醜い男女の愚行に比べ、柳剛流の剣の道はいつでも清々しい。

 さっぱりとした気持ちで稽古を終え、入浴して汗を流し、睡眠薬代わりに兵頭二十八師訳・岡谷繁実著の『名将言行録』を読みながら床に着いた。

 すべて世は、事も無し。

1908_柳剛流殺活免許

夫れ剣柔は身を修め心を正すを以て本となす。
心正しくば則ち視る物明らか也。
或は此の術を以て輙(たやす)く闘争に及ぶ者有り。
此れ吾が党の深く戒むる所也。
当流を修めんと欲する者は、先ず心を正すを以て要と為すべし。
(柳剛流殺活免許巻より)


 (了) 

「安倍大恐慌」という時代を生きる/(時評)

2020年 02月06日 08:41 (木)

 報道によれば、

「働く50代男女の80%以上が『定年後も働かなければ不安』と感じ、4人に1人が『貯蓄していない』と民間の調査に回答していることが5日、分かった」

 という。

「働く50代、4人に1人貯蓄ない」2020年2月5日/共同通信
https://this.kiji.is/597665115047363681?c=39550187727945729


 一方で、昨年の消費税増税の影響で、山形県では320年の歴史を持つ百貨店が倒産し、首都圏ではスーパーマーケットやドラッグストアの売り上げが、軒並み落ち込んでいるとのこと。

「山形・百貨店大沼が自己破産 190人解雇、320年の歴史に幕」2020年1月28日/河北新報
https://www.kahoku.co.jp/tohokunews/202001/20200128_53013.html

「『いなげや』営業利益4割減が示す『安倍大恐慌』の始まり。消費増税でスーパーも火の車 」2020年2月5日/MONEY VOICE
https://www.mag2.com/p/money/888618



 「今だけ、金だけ、自分だけ」(by東京大学大学院/鈴木宣弘教授)の安倍政権による悪政の影響が、ここまで如実に我々の暮らしを直撃しているというわけだ。

 一方で、私のようなフリーランスの個人事業者は、将来受給できる年金(国民年金)も、現時点での試算で満額の場合、月々僅か6万5,000円だ(ちなみにサラリーマンの場合は厚生年金なので、夫婦世帯で平均毎月約22万円となる)。

 しかし現代の日本社会で、例えば首都圏の場合、わずか6万5,000円の年金収入では、家賃にすらこと欠く金額である。

 しかも、10年後、20年後も、この「満額」が受給できる確証はない・・・、というか「マクロ経済スライド」という制度によって、現時点での満額よりも減額されることが強く予想される。

 つまり、我々のような都市部在住の自営業者の老後は、年金収入だけでその他の資産や貯蓄が無い場合、死ぬまで働き続けるか(それも、仕事があればの話しだが・・・)、そうでなければ生活保護確定というわけだ。

 では、年金生活に向けて、どれくらいの貯蓄額が必要か?

 金融庁の試算では2,000万円、総務省のデータを元にした試算では、3,000万円くらいは必要になる。

 詳しくは私が執筆した、

『これ一冊で安心! 高齢者施設の費用・選び方・手続きのすべて』(ナツメ社)
https://www.natsume.co.jp/books/12295

 を参照されたし。

2002_著作
▲足掛け2年がかりで執筆し、ようやく今年1月10日に出版されたばかりの新刊



 社会の弱者をひたすら踏みにじり続ける、悪夢のような安倍政権のもと、貧富の差が決定的に拡大し格差が固定され、社会が分断された「安倍大恐慌」という今、そしてこれからの時代。

 どのようにして生き残り、日々の暮らしをつないでいくか?

 資産もまとまった貯蓄も無く、退職金も雇用保険も無い私にできるのは、今この時から1円単位で生活費を削り、100円でも1,000円でも貯蓄をしていくこと。

 そして1日でも健康寿命を延ばし、病気になったら長患いをせずに速やかに死ぬこと(安楽死や自殺といった方法も、検討せねばなるまいね)を期待するぐらいしか、方策が無い。

 一生懸命働いてまじめに税を納め、良き社会人として歳を取ってきた人たちが、心ならずも、

「早く死にたい」

 と、願わざるをえない、21世紀の日本社会。

 まさに、「地獄は一定すみかぞかし」ということか・・・。


「入れ物がない両手で受ける」
(尾崎放哉)


 (了)

ネット右翼と武道/(時評)

2019年 12月18日 01:02 (水)

 SNSやブログなどで、武術や武道に関して「なるほど!」と思わせてくれる一文を見つけ、「さて、どんな人が書いているのだろう?」と思い、その人の他の書き込みを読む。

 すると、武術・武道に関する事以外については、読むに堪えないヘイトやジェンダーに関する書き込みばかりだったり、あるいは極めて偏った極右的な思想の特定著名人へのリツイートばかりだったりで、

「ああ、こういう方向性の人なのね・・・」

 と、ガッカリさせられることがある。

 ま、日本は自由の国なので、内心の自由や思想の自由、表現の自由は憲法で保障されているわけであり、どこかの誰かが極めて偏った思想に染まるのもまた自由だ。

 私がとやかく言うことではない。

 しかし私個人としては、特定の外国の人たちを執拗に口撃したり、まじめに社会活動にコミットしている若いお嬢さんを冷笑したり、自国第一主義や排外主義、あるいはレイシズムを公言して憚らないような武術・武道人とは、

「お近づきには、なりたくねえなあ」

 と、しみじみ思う。

  *  *  *  *  *

 移民研究の専門家・樋口直人氏によれば、ネット右翼、いわゆる「ネトウヨ」と呼ばれる人々の傾向は、「高学歴」「30代から50代」「自営業者や経営者」であり、

「武器や自衛隊などが好きなミリタリーオタク、武道関係者、宗教的活動に関わっているなどの背景のある人が多い」(東京新聞/2019年6月8日)

 のだそうな。

 この分析については、なんというか、ちょっと個人的には複雑な気分である。

 なぜなら私は、高学歴ではないけれど、50代で自営業で経営者で、武器や自衛隊などが好きなミリタリーオタクで武道関係者だからだ(爆)。

 つまり、樋口氏が分析したネトウヨの条件に、私は非常に色濃く該当しているわけデス。

 ・・・・・・。

 しかしまあ、世の中には常に「例外」というものがある。

 そこんところを、ご理解賜りたく申し上げ奉り候。

  *  *  *  *  *

 たしかに武術・武道の関係者には、ネット右翼的な思想信条、つまりレイシズムや排外主義、戦前の軍国主義を肯定的に捉えている人々も少なくないのは、肌で感じるところだ。

 そこで繰り返しになるが、「内心の自由」は誰にも止められないわけで、我こそ武道家なりと広言する人が、一方で「南京大虐殺は本当は無かった」とか、「ナチスのホロコーストは捏造だ」とか、「大東亜戦争は、侵略戦争ではなかった」とかいう、客観的な歴史的事実に反するデマを信じ、あまつさえ「●●国人は出ていけ!」などというヘイトスピーチを繰り返すことを、赤の他人である私が啓蒙してあげる筋合いはない。

 しかし、私だけでなく、ごく一般的な教養を持つ普通の社会人であれば、そのような非常に偏った思想に基づいた言動をSNSやブログで繰り返し発信している人を、自分の習い事の師匠や兄弟子として仰いだりしたくはないだろう。

 あるいは自分の子供を、そのような偏った思想信条を持つ人が指導者をしている流儀や会派に、「ぜひ入門させたい!」という親御さんも、あまりいないであろう。

 過日、ツイッターでヘイトまがいの外国人差別や女性へのセクハラやDVを公言している、とある武道関係者が、

「なぜ自分の道場には門人が集まらないのか?」

 と、嘆息している書き込みを読んだのだが、

「そりゃあ、女性に暴力を振るったり、セクハラ発言を嬉々として書き込んだり、ヘイトスピーチまがいの外国人差別を公言するようなクズ野郎が“先生”をしている道場に、ノコノコ入門するおめでたい人など、そうそういるわけがねえだろうよ」

 と諭してあげたくなったのは、はたして私だけであろうかね・・・?

  *  *  *  *  *

 「惻隠の心」というのは、武術・武道人に絶対に欠かすことのできない、重要な徳目のひとつだ。

 ありていに言えば、「弱きを助け、強きを挫く」という心根のことである。

 それを持たない武術・武道人は、単なる粗暴な者として、最終的には自滅するだろう。

 そして、本当の意味での「惻隠の心」、つまり「仁」という徳目を理解しているのなら、特定の外国の人々を執拗に攻撃(口撃)したり、女性や子ども、あるいは老人に暴力を振るったり、弟子や後輩にパワハラやモラハラをするなど、ありえないことだ。

 こうした点で、いわゆるネトウヨ的な武術・武道関係者というのは、武人に必須の「惻隠の心」を持たないということからも、まことに残念な人たちだといってよかろう。

 一方で、たとえば民族派の闘士であった故・野村秋介氏は、獄中で虐待を受けていた在日コリアンの青年を救ったエピソードでも知られている。

 それはまさに、武人としての惻隠の心=仁からの行動であり、心映えの美しい行為であった。

 「武士の情け」とは、そういうものではないだろうか。

  *  *  *  *  *

 人の思想信条というものは、右でも左でも構わない。

 それぞれが、自分が信ずる道を歩めば良い。

 「自由の世界」とは、そういうものだ。

 しかし、そこに「惻隠の心」、つまり「仁」の徳があるか?

 ここが重要なのだと、私は思う。

 そしてまた、右でも左でも、あまりに偏った思想は結局は破綻する。

 こうした意味で、今の日本の政治や社会において、中道左派や中道右派の勢力が壊滅しつつあるのは、非常に深刻な事態だ。

 格差の時代、断絶の時代だからこそ、我々はもっと「惻隠の心」や「仁」、「中庸」といった東洋の叡智について、深く学ぶべきではないだろうか。

 (了)

わらの犬/(時評)

2019年 09月27日 11:25 (金)

 翠月庵は天下御免の野天道場のため、稽古では地下足袋が必需品だ。

 私はもう10年以上、「力王 祭り足袋 エアーたびフィット 5枚 メンズ」を愛用している。

 新調してから大体2年くらいではきつぶしてしまい買い替えるのだが、ちょうど先の稽古で破れてしまったので、アマゾンで注文をした。

 ついでに、来月の松代の演武では、監獄長光で荒木流抜剣を遣うので、目釘も新しいものを(予備も含めて)購入した。

 これが私の、消費税増税前の「駆け込み購入」である。



 それにしても今回の大増税が、私の暮らしにどの程度の影響を与えるのか、いろいろと試算検討しているのだが、暗澹とした気持ちにしかならない。

 ざっと年収ベースでは、年間で約10万円以上の増税となる。

 シャレにならない負担増だ。

 加えて私は、キャッシュレス決済はJR東日本のスイカのみを利用しており、クレジットカードなるものは1枚も持っていないので、交通費以外のすべての消費行動は現金決済である。

 交通費といえば、ガソリン代や高速料金はどうしてるかって?

 つうか車やバイクは所有していないし、そもそも車の免許を持っていないので、そういう交通費は発生しないのだ。

 私のCO2排出量は、とても少ないのである。

 閑話休題。

 いずれにしても現金決済で生きている私は、アベ政権のこざかしいキャッシュレスによるポイント還元の恩恵は、ほとんど受けることができないのである。

 ま、そもそもこのポイント還元なるものは、そのしくみ上、ファミレスなどは対象外である一方で、客単価2万も3万もする銀座のすし店などといった高級店では還元されるという富裕層優遇のしくみであり、私のような低所得者にはなにも恩恵がないんだけどな。



 こうした情況から、私の消費税対策は節約と買い控え、そして貯蓄の3つしかない。

 節約といえば、日経の電子版に消費税対策にニンジンの皮まで食べろとかいう記事が掲載されて炎上しているそうだが、そんなことは言われるまでもない。

 ニンジンどころか、ダイコンやカブの皮も捨てずに、こちとら毎日自炊して暮らしてるんだっつうの(怒)。

 ま、年収800万や1000万といった上級国民の皆様には、100円、10円単位で家計をなんとかやりくりしている我々下級国民のリアルな生活など、まったく実感できないのだろう。

 先進国中最悪レベルといわれる7人に1人の子どもが相対的貧困にあり、働く人全体の約4割が非正規雇用とされる一方で、財務大臣は外食代に年間2000万円を使い、総理のオトモダチには100億円単位の補助金が交付される。

 格差社会どころか、すでに階級社会となっているのが今のこの国の現状であり、そこで搾取され踏みにじられる我々持たざる者は、所詮は「わらの犬」なのだ。

 そういう「世界」に、私は生きている。

 秩父困民党の闘士であった井上伝蔵は、没後100年が過ぎたこんな日本の惨状を、今どのようにみるだろうか・・・。



 今後も翠月庵の教授料は、できるだけ値上げしないように頑張るつもりだが、その分増税後、特に年が明けて来年以降は、武術関連の諸経費について、大幅に削減・節約しなければならないだろうなと、今から覚悟している次第。

 まずは柳剛流の長木刀にしっかりと油をひいて、少しでもささくれずに長く使えるようにしなければならんね(苦笑)。



1909_わらの犬


天地には仁愛などはない。万物をわらの犬として扱う。
聖人には仁愛などはない。人民をわらの犬として扱う。
(老子道徳経 第5章)



 (了)